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Momentum iWant2.1m-Cを振り返る

Momentum iWant2.1m-C。

私が初めて購入したロードバイクです。

今年のお盆に運用を停止するまで、9年もの間、いろんな所に連れて行ってくれました。

購入したのが2011年の3月頃。

水前寺駅南口にオープンしたばかりの、イオンバイクで購入しました。

価格は、49,800円(税込)

今考えても、お手軽で非常に使い勝手の良い、入門車としては申し分のない1台だったように思います。

そこで今回は総括としまして、愛車だったMomentum iWant2.1m-Cを振り返り、どのような特徴があってどのような利点・欠点があったのか、どのような変遷をたどってきたのかを振り返ってみようと思います。

Momentumとは

Momentumは、GIANTマニュファクチュアリングが展開するアーバンライド向けのブランドです。

一般的なGIANTブランドはスポーツ用、LIVは女性向けのサイズで展開されるスポーツ用のブランドとして展開されていますが、これに対してMomentumはよりライトな層に向けられたブランドだと言えます。

日本では、2010年頃からGIANT傘下の企業だったホダカがOEMという形でイオンバイクを介してMomentumブランドの自転車を販売していました。

今ではホダカGIANTから独立し、NESTOブランドを展開し始めたことで、事実上の撤退に至ってしまっているようです。

ややこしいのは、GIANTの日本法人であるジャイアントジャパンを介したブランドではない、という点です。

なので、当時から「GIANTだ!」「いやちがう!」という不毛な論争が巻き起こりがちなブランドだったと記憶しています(;^ω^)

なお、その語呂の良さから、木綿と表記されることも。

愛称としても木綿は可愛らしくて、私は好きでしたw

ライトなロードバイク?

ライト層に向けられたロードバイク、ということで、まぁルック車扱いを受けてしまうMomentumでしたが……。

カタログを見ると、これがなかなか馬鹿にならないラインナップ揃いでした。

少なくとも、フレーム単体を見ればルック車のそれとは明らかに異なり、GIANTのOEMに偽りのないクオリティを保っています。

一般的なロードバイクブランドの商品と比較すればどうしても負けてしまうのは事実ですが、いきなりプロショップに赴く敷居の高さを考えれば、イオンバイクで手に入るMomentumのお手軽さは非常にありがたいものでした。

例えば、iWant R Claris

Clarisの名を関する通り、リア8速という初心者にちょうどよい選択肢になっています。

他にも、ぶっちゃけGIANT TCRだろコレ、と言わんばかりのラインナップも取り揃えておりました。

iWant RC 105です。

カーボンフレームです。

これで20万円を切ってたんです。

2015年頃にラインナップに登場しました。

105搭載車ですが、これがMomentumのハイエンドマシン、事実上のフラッグシップモデルでした。

他にもTiagraモデルなんかがあって、105と並んでTwitter上でもお目にかかる機会が非常に高い車種です。

私個人の感触からすれば、性能、デザインともに申し分のない商品で、今見てもかっこいいなと思えますね。

なので、メルカリなんかで中古のフレームが出回るたびに、一瞬欲しいと思ってしまいます(;^ω^)

【推測】なぜMomentumは撤退したのか

そんなMomentumですが、2017年頃を境に、市場から姿を消してしまいました。

ここからは推測になりますが、105クラスのミドルグレードロードバイクが登場した結果、Momentunの立ち位置が曖昧になってしまったから、というのが理由の一つなのではないでしょうか。

そもそも、Momentumブランドの海外展開の状況を見ますと、ラインナップにロードバイクが存在しません。

あくまでアーバンライド、ライトユーザー向けの自転車である、という前提があるからです。

ただホダカとしては、イオンにバイクを卸す上で、ロードバイクもラインナップに含めておきたかった、という思惑があったのではないかというふうに考えられます。

一方、イオンバイク側もGIANT側も、「ホダカが提案する規格はMomentumとしてはグレードが高すぎる」という認識に至っても不思議はありません。

結果すったもんだを経て、105搭載の高品質なラインナップが生まれるに至りましたが……顧客層とのギャップから売れ行きは今一つだったのではないでしょうか。

ホダカがGIANTから独立したタイミングとも重なりますので、だいたいそういった理由で無くなってしまったのではないかな……と考えてしまうわけです。

また、イオンバイクそのものの店舗展開が縮小に向かったというのも理由に挙げられるかもしれません。

2011年頃から一気に新規オープンしたイオンバイクも、2015年頃までにバタバタと閉店していきました。

私が買ったお店も閉店し、ドラッグストアに替わってしまいました。

店舗数が減ったタイミングで105搭載の高品質バイクが登場したと考えると……なんだか色々大変だったろうなあ、と容易に想像ができるわけです。

手軽に、高品質のロードバイクが手に入るという点で非常に魅力的なブランドだったんですが、無くなったことは大変残念ですし、やはり寂しいの一言に付きますす。

しかし、その立ち位置を同じホダカのNESTOが担っていると考えれば、系譜としては生きている、NESTOに理念が引き継がれているのだろう……と考えるようになりました。

Momentum iWant2.1m-Cの魅力

さて、改めてMomentum iWant2.1m-Cに話を戻したいと思います。

2011年に購入したんですが、まさにMomentumiWantシリーズの初代、いわばプロトタイプとして展開されたものになります。

スペックはこんな感じです。

ホダカ Momentum iWant 2.1m-C
フレームアルミニウムインテグラルヘッド
フロントフォークユニクラウン スチール
BBセットVP-BC73 110.5-68mm
クランクセットWHEELTOP DSS110-XD2WR 53/39T 170mm
チェーンKMC Z72 1/2X3/32X108
ペダルWELLGO LU933 9/16 BR SIL
ハンドルバーHL RD-AL-145 25.4Φ W-400mm L-50mm
ハンドルステムHL DA-32 25.4mm 90mm
ブレーキセットEVG RC462 ALLOY SIL
ブレーキレバーSHIMANO ST-2300 + TEKTRO Rl-570 BK
F・ホイールJOYTECH A171DSE
R・ホイールJOYTECH F192DSE
タイヤKENDA K196 700X23C
F・ディレイラーSHIMANO FD-2300 2S
R・ディレイラーSHIMANO RD-2300 8S
シフトレバーSHIMANO ST-2300 2x8S
R・スプロケットSHIMANO CS-HG50-8W
サドルVELO VL-1017A BK
シートピラーHL SP-214 30.9ΦX300
付属品ベル
重量11kg

それまでホダカでは、HOCRHTCRという、Momentumブランドを冠さない独自のGIANTのOEM商品を取り扱っていたようで、iWantシリーズはその後続の立ち位置にあるものだったようです。

フォークに至っては、Momentum iWant2.1m-Cのものと全く同じ形状ですね。

デザインだけなら……現在運用しているGIANT OCR1とうり二つです。

2台連続でOCRに乗ってきたようなものですね(;^ω^)

フレームの独特な形状

材質はカタログを見てもアルミであること以外は明記してありませんが、6061で間違いないでしょう。

重量はフレーム単体で1550g程度。
GIANT OCR11500gなので、材質面でもおそらくはほとんど同じですね。

ただ、細かく比較すると大きく違う点があります。

それは、トップチューブダウンチューブの形状です。

写真だとちょっと分かりにくいですが、GIANT OCRシリーズなどはシンプルな円・楕円が多いのに対し、iWantシリーズはチューブそのものを凹ませた形状になっています。

その後の展開もしばらくはこのデザインが続いていたようです。

他の例ですと、手持ちのバイクでは、Lynskey Helix Proもその名の通りダウンチューブが捻れています。

Lynskeyのは剛性を高めるための処置だとのことですが、iWantシリーズの場合は……おそらく、デザイン面で個性を出したかったからだと考えられます。

流石にカーボンモデルではこのデザインが踏襲されることはなかったみたいですが(;^ω^)

安価ながらも安定したコンポーネント SHIMANO 2300

搭載されていたコンポーネントは、SHIMANO 2300

今でいうClarisで、フロント2速、リア8速でした。

エントリーグレードということで変速の具合は気持ち硬めでしたが、調整さえしっかり決まっていればスパスパ変速が決まります。

正直、現在Lynskey Helix Proで使っているSRAMのミドルグレード、RIVAL1の変速具合と寸分違わぬ正確さでした。

さすがはSHIMANOと唸らざるを得ませんでしたが、一方のフロントは……これについては後述します(;^ω^)

互換性の高い規格の採用

オーソドックスなアルミバイクという事もあって、非常に汎用性が高い規格が採用されていました。

ざっと列挙すると以下のような感じでした。

  • BBシェル … JIS/BSA
  • ヘッドセット … ZS44
  • フォークコラム … 1・1/8 ストレート
  • ディレイラーハンガー … GIANT OCR相当(ねじ切りタイプ)
  • キャリパーブレーキアーム長 … ショートアーチ相当

御覧の通り、特殊な規格は一切使われておらず、オーソドックスなものばかりです。

全てのパーツが容易に交換可能で入手性も高い。

乗るのみならずいじる上での入門機としての性質も非常に高いと言えるでしょう。

初心者に優しい設計

Tektroの補助ブレーキがついてましたので、ハンドルの持ち替えに慣れてない頃は非常に助かりました。

またフォークがスチールだったため、重くはありましたが、路面からの衝撃吸収性が非常に高く、長距離を走っても疲れが蓄積しづらかったと記憶しています。

iWant2.1m-Cの欠点

いいこともあれば悪いこともある。

ということで、欠点だった部分を書いていきましょう。

シフトが決まらない場面がある

変速に関しては、SHIMANO 2300のシフトアップが親指シフトだったために、下ハンドルでシフトアップが出来なかったということが欠点としてまず挙げられます。

あと、これはクランクとの相性の都合上、フロントの変速がほとんど決まらなかったという点でしょうか(;^ω^)

クランクはWHEELTOP DSS110-XD2WRと呼ばれるもので、台湾製のSHIMANO互換製品でした。

当時の安価なロードバイクでは定番のクランクですが、これがとにかく重い上にアウターにチェーンが上がらないという……。

イオンバイクの店員さんも「フロントはほとんど使わんから!」と半ば変速が決まらないのを諦めてくれ、というニュアンスで説明してくださいましたw

まぁ、53Tx39Tという初心者には大きすぎるギア比だったこともあって、実際アウターはほとんど使う機会がありませんでしたけど。

廉価部品が色々と脆い

クランクのみならず、やはり安く抑えた結果、全体的にパーツが脆いという印象でした。

特にひどかったのがブレーキですね。

EVG RC462は型番を見る限りPROMAXのOEM商品のようですが、今使っているSHIMANO製品と比較するととにもかくにも渋い動きをするブレーキでした。

5,000㎞程走ったところでバネの戻りが非常に悪くなり、10,000㎞を数えるころには全然利かなくなってしまいました……。

ホイールも鉄下駄でしたし、上記ブレーキと相まって(私の使い方も悪かったんですが)リムがダメになって、10,000㎞で交換することに。

SHIMANO 2300のSTIも、10,000km超えたところでワイヤーを巻き取るカムが割れて運用不能になりましたし、とにかく耐久性という面ではいろいろと問題があるものばかりでした。

まぁ、ルック車のくくりに入る車種ですから、10,000kmも走れば上等なんでしょうけどね(;^ω^)

ただ、前述の通り、全ての部品が交換可能、という利点があったお陰で、修理を重ねて倍以上の距離を乗りこなせたという事実もあるわけです。

安いなりにパーツ交換で色々楽しめた、という点ではむしろ利点だったのかもしれません。

ギア比が初心者向けではない

初心者向けを謳っている割には、なぜかギア比に関しては重たい設計でした。

前述の通り、フロントが53T-39T……。

リアが12T-25Tでしたから、一番軽いギア比が1.56なんです。

今でこそ体が慣れてるのでなんてことないですが、よくまあこんなギア比でヘボヘボなりに峠の茶屋を登れたものです(;^ω^)

初心者向けを謳うのであれば、やはりここはコンパクトクランク(50T-34T)であってほしかったなと思います。

改造の変遷

さて最後に、9年間の時を経て、どのような変遷をたどっていったかについてまとめてみたいと思います。

初代 (2011~2015)

最初の4年間は一切改造をせずに乗ってきました。

最終的にはチェーンも伸び放題、ワイヤーもほつれ放題で酷いものでしたが、お陰で自分で修理しようという意識が芽生えるに至りました。

バーコン時代 (2016)

SHIMANO 2300のSTIが破損したので、代わりにDIA-COMPEバーコンを利用して修理したのがこの状態でした。

この時にはすでに水前寺駅前のイオンバイクは閉店しており、購入した店に持っていけなくなったことがきっかけで、自分で修理するという選択をするに至りました。

チェーンやワイヤーなどの消耗品をごそっと変えて、事実上のオーバーホールに及んだ時期でもありました。

他にもこれと前後して、ブレーキをTektroに変えたり、ホイールをGIANT OCR1から移植したり……。

自転車の改造の基礎部分はこの時に培われたと思っています。

なによりこの時期に、熊本地震が起きました。

震源地から多少は離れていたとはいえ、インフラはストップし、物資は枯渇し、身内の郊外の家へ避難せざるを得ない状況に陥った時に、物資を求めて共に走り回った時の構成がこの状態でした。

そういった意味でも、非常に思い入れがあります。

……まあ、フロントシングルにしてましたし、バーコンが錆やすかったのもあって、半年で使わなくなってしまいましたが(;^ω^)

SORATEGRA時代 (2016~2017)

譲り受けたGIANT OCR1を1×11に改造したことで余ったUltegra 6500をベースに、SORAを買い足して組み上げたのがこの状態でした。

SORA+Ultegraという事でSORATEGRAです(;^ω^)

このころには、ブレーキにSHIMANO BR-R451を導入していました。

初めてのコンパクトクランクブルホーンにSTIという構成は通勤というくくりで見れば使い勝手もよかったと思っています。

ただ……使っていくうちに、だんだんと型番が異なることが気になるようになりまして。

遂に中古部品を漁り出すようになっていくわけです(;^ω^)

ULTEGRA時代 (2017~2018)

メルカリ等々で、ついにハブとヘッドセット以外のUltegra 6500一式をそろえてしまったのがこの状態です。

この時にシルバーパーツの美しさというものに目覚めてしまいました(;^ω^)

ノーマルクランクに戻ったわけですが、品質はさすがのUltegra、不思議と軽く漕げるようです。

シマニョーロ (2018~2019)

で、最後はこの形に落ち着きました。

ステムとフォークもGIANT OCR1から移植したことで、最終的にフレームとシートポスト以外が全て別物に入れ替わってしまいました(;^ω^)

SHIMANO 2300時代の親指シフトに立ち返ってみたかった、という思惑もありましたが……。

正直、一度シマニョってみたかったという、興味本位での改造と言ってもいいでしょう(;^ω^)

まとめ

色々ありましたが、9年もの長きにわたって、ロードバイクに乗る楽しみと、いじる楽しみを、まとめて提供してくれた一台だったように思います。

そんなMomentum iWant2.1m-Cには、素直に「ありがとう」と言ってあげたいです。

今後はこのような低価格のエントリーバイクを買う機会はおそらくないでしょう。

しかし、最初の一台である、という事実はとても大きなもののように感じます。

一時のロードバイクブームと比較すれば今は気持ち下火になっていると思いますが、もしも興味を持った人がいれば、この価格帯の自転車も選択肢として紹介したいと思っています。

今だったらNESTOTOTEMあたりがこれに該当するでしょうか?

もしかしたら、ライトな感覚で乗り出したはずが、深い沼に落ちるきっかけになるかも……。

私がそうであるように、きっかけが「お手軽な一台」というのも、一つの手段であるように思うのです。

最初はルック車でもいいんです。

楽しんで乗れる一台に出会えれば、それだけで幸せなんだと、そう思います。

では最後に、改めて。

「ありがとう」。

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2件のコメント

  1. 突然のコメント失礼致します。

    僕も、2011年の6月に最寄りのイオンバイクにてMomentun iWant1.0 を購入いたしまして、昨年まで約8年にわたり使用しておりました。
    途中不慮の事故によりフロントホイールに傘を巻き込んで友人のOrbeaのホイールを入れたり、ボスフリータイプのセミハイトホイールに換装したりして楽しんでおりました。

    各部パーツの劣化や、このバイクによって沼にはまり、ほかのバイクを買ったこともあって、現在は休車扱いとしておりましたが、この記事を拝読させて頂きましてまた整備して乗りたいと思うようになりました。
    素晴らしい記事をありがとうございました。

    1. コメントありがとうございます。

      Momentumブランドが国内から姿を消して久しいですが、意外と最初のロードバイクとして乗っている方が多いことを知ってから、更に愛着が深まった一台となりました。
      解体した当時の心境のまま勢いで書いた記事だけに今読むとお恥ずかしい限りですが、こういう形でコメントを頂けるとは嬉しい限りです。

      今はフレームだけになってしまってますが、いずれ機会があれば復活……なんてことも、私自身あるかもしれません。

      今後も些末かと存じますが自転車ネタを書き連ねていくと思いますので、よろしくお願いします。

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