世間が新型コロナウイルスで軽い恐慌状態に陥っておりますが……。
そんな中であえてくだらないネタを一つ(;^ω^)
SRAM RED の文字が浮かぶ化粧箱……。
SRAMの無線電動変速機!
まさに衝動買いです。
海外通販で底値でたたき売りされているところを見つけてしまって、うっかり買ってしまいました。
買いはしたものの、結局使いどころがなかったので早々に手放してしまったわけですが……。
結構情けない理由で手放したので記事にするのもどうかと思いましたが、意外と大手以外でレビューをかけているサイトが少ないように感じられたので、思い切って書いてみることにしました。
なお、紛らわしいことに箱がSRAM RED AXSでしたが、実際に買ったのはSRAM FORCE eTap AXSの1x12s リムブレーキセットです(;^ω^)
1x12sの変速機だけのパッケージとなります。
二重底になってまして、下にはブレーキケーブルと説明書、チューニング工具が格納されてました。
これ一式、占めて87,000円前後。
定価(166,900円)のほぼ半分です。
送料と関税を加味しても、100,000円を切るお値段で手に入れることが出来ました。
取り出してみると御覧の通り。
1つずつ見ていきます。
デザイン自体は現状使っているSRAM RIVAL22とも通じるデザインを踏襲した感じですね。
触ってみると、変速が電子化されてもなお、SRAMならではのおもちゃっぽいクリック感はそのまま残されている感じです。
一方で、手にとってみるとRIVALと比較すると気持ち重たいような……。
レバーの手触りと相まって醸し出される高級感、とでも言えばいいでしょうか。
意外とパーツ個々の重量の情報が落ちてないので、手放す前にちゃんと重量計測すればよかったなと思いましたw
こちらも、機械式と比べるとどこか重量感を感じさせます。
バッテリーがある分、機械式と比較すると重くなるのは自然な流れでしょう。
プーリーがナローワイドになっているのもSRAM特有ですね。
その他、電池と充電器。
クレードルにバッテリーを差し込んで、USBで充電できる構造になってます。
アダプタを買えば、家庭用電源でも普通に充電できます。
で、実際に充電してみてペアリング。
変速を行ってみたのが上の動画です。
シフトダウン、シフトアップ共に非常にスムーズに動きます。
シフトダウン速度のほうが早い設計になってますね。
使ったことはないですが、恐らくCampagnolo EPSやSHIMANO DI2も、同じような仕様になっているものと想像出来ます。
さて、続いてアプリのほうを見ていきます。
変速機自体は本体に付属しているペアリングボタンの長押しだけで完結するのですが、細かい設定や状態確認、ファームウェアのアップデートなどは専用アプリを利用して行う形になります。
このシステムをAXSというらしいです。
設定項目の一つとして、変速ボタン押しっぱなしの挙動の定義とかが挙げられます。
デフォルトでは無制限変速になってますが、設定次第では機械式と同じ規模のリミッターがかけられたりするわけですね。
面白いのは、変速手続きを左右で入れ替えたりとか。
今回買ったのは 1×12 ですから組み合わせアクションは空白になってましたが、フロントディレイラーを買い足してペアリングさえすれば、ここも機能するようになるみたいです。
Blipと呼ばれる拡張パーツをさらに買えば、変速スイッチの追加まで出来るようで……いやはや見れば見るほど夢が膨らむ変速機です。
ただ……ここまで買っていろいろ試したところで……。
うすうす気づいてはいたんですが、これ以外に買い足すものがあまりにも多すぎて、最終的に運用を断念するに至りました。
それは、旧来のSRAM RED eTapと同じ感覚で、SRAM社外品をうまく組み合わせれば安く運用できるだろうという甘い見積もりが原因です。
浅はかとはこのことですね(;^ω^)
ざっとまとめると……。
といった感じです。
最初に引っかかったのはこれでした。
いわゆるSHIMANO HGフリーで12速のスプロケが存在するのか、というお話。
市場を見ると、SUNRACEとかが出してますけど、MTB用でワイドすぎるものばかりなんですよね。
中華からはSENSAHが12速の素敵な変速機を出してましてこれが11-34Tという理想的なギア比だったりするんですが……スプロケのバラ売りがなされていないため流用不可能。
これまた中華のSUNSHINEというメーカーのスプロケもありはするんですが、巷の評判は悪く、入手性も高いとは言えません。
もっと言うならば、これらのスプロケのピッチが、SRAMの12速と同一の設計になっているのか……そういった情報が一切見当たらないのです。
変速機側でスプロケのピッチがコントロールできれば多少は巻き取れるんですけど、どうもSRAM eTap AXSは完全固定、となっている様子。
ファームウェアをクラッキングするなどして移動量を書き換えるとかすればもしかしたら……とは思うんですが……。
正直出来る気がしませんし、そんなリスクを犯してやることでもありません。
下手したらSRAMから訴えられます(;^ω^)
で、純正品は……余裕の20,000円超え。
同等グレードのSHIMANO ULTEGRAでさえ8,000円くらいですよ、いくらなんでも高すぎです(;´Д`)
純正スプロケを使うためには、xDR Driver Bodyを搭載したハブ、ないしホイールを用意する必要があります。
安いホイールも随分増えてきたみたいですが、今更安いのを手回したところで……。
ここはミドルエンド以上のものを買わないと損です。
となると、安く見積もっても海外通販で50,000円、相場感では10万円クラスのものでないと釣り合いが取れません。
すでに10万円近い出費に加えて更に10万……。
とても手出しできませんし、妥協する気もありません(;^ω^)
現状はフロントシングル運用なのでこの節に限ってはあまり関係ない話になりますが……。
純正品のリアスプロケットの最小ギアは、なんと10T。
一般的なロードバイクからは考えられない重さのギアとなります。
フロントダブル運用を考慮すると、自分が理想とするのは従来のコンパクトクランク(50-34T)ですが、これでも大きすぎるのです。
コレより小さいギア比を探すと……純正品以外有りえません(;^ω^)
ギア比を考慮すると、これまた純正のクランクセット(46-33Tあたり)を買う必要が出てきてしまいますが……。
これまたDUBという独自のBB規格。
諸々買い直さなければならない手前、これまた出費がかさみます(;^ω^)
これで追加50,000円……さぁて、フレームで支払った代金を大幅にオーバーする事態になってきましたw
おそらく、最小ギア10TというのはSRAMの商売上の戦略なんだと思います。
独自仕様にすることで、SRAM製品で統一せざるを得ない状況を作り出しているというか……。
なんか、インデックスシフト(SIS)を出したばかりのころのSHIMANOを思い出しますね(;^ω^)
フロントシングル運用にするなら、42Tを買えば何とかなりそうです。
これに限っては、Wolftoothのお世話になると思いますがw
最大の消耗品であるチェーンも、一本5,000円近くします。
前述のスプロケも含めて考えますと、正直セカンドグレードなのにSHIMANO DURA-ACE並かそれ以上に高価である事が分かります。
ということで、せっかく買ったSRAM FORCE eTap AXS 1x12sを運用するためには、追加で総額12万円以上の出費がかさむ計算になるわけです。
海外通販を駆使しても、半分になり切らないと思いますので、実質追加10万円……。
当初思ってたよりも高くつく、という計算になってしまいました(;^ω^)
もともと日本国内では高級志向で売り出されていたSRAMですからある意味それそのまま……という言い方もできますが、海外で買っても結局高いようでは話になりません。
ということで、結局買値とほぼ同じ値段で手放す形となってしまいました。
実走に至れなかったのが残念ですが、触れる機会が出来たという点では面白かったなとは思ってます。
そもそも、先に買うべきはホイールであって、変速機ではないという話です。
……まぁ、変速機は変速機でいろいろと揺れてまして、また違った形で何かネタを投下するとは思いますがw
さて、どうあれ今回初めて電動変速機を触ってみて得た結論は……。
今のところ必要ない、ということでした。
実に身も蓋もない結論です。
買っておきながら何を言っているか、と非難されても仕方がないですが……。
なんといいますか、機械式の紐ならではのチューニング作業が必要ないという事実に触れてしまった事で、魅力が削がれてしまいました。
そもそも私は、シマニョーロをはじめとしたミックスコンポとかで楽しんでいる人間ですからねw
メーカーが提供するパーツ構成そのままでの運用に、面白みをあまり感じないんだと思います。
そういう意味では非常にタチが悪い楽しみ方をしていますね(;^ω^)
あと、バッテリーの持ちに懸念を感じたというのが一点。
60時間くらい持つとは言いますけども、ずぼらな人間なので、充電を忘れて出走直前に「あいたー」となるのは必至。
……結局、私という人間に今のところそぐわない製品であるという事になってしまいます(;^ω^)
とはいえ、全否定するつもりは一切ありません。
ボタンひとつで軽々と変速できるという点は、握力の弱いお年寄りや女性には絶対おすすめですし、押しっぱなしで連続変速してくれるのは何よりお手軽です。
ガーミンのサイコンとかと連動して、変速状況が確認できるというのも強みの一つでしょう。
何より、無線だからこそほぼメンテフリーである、という利点は見過ごせません。
有線だと紐と同様に断線する恐れがあり、これをメンテしようとなると難易度が一気に跳ね上がります。
どの回線で断線が起きているのかを調査するなんて……ほとんど電気屋さんの作業です(;^ω^)
充電もバッテリーがコンパクトだし、USB形式のクレードルが別に存在するので、リビングや寝室のコンセントでも充電できてしまいます。
こうしてSRAM eTap AXSを総合的に見ると、実に画期的かつお手軽なコンポーネント群だと断言できると思います。
お金はどうしても高くつきますし、バラ完するには前述の通りいろいろ敷居が高いという欠点もありますが、次の新しい一台を……と考えた場合、選択肢になりうる商品だと感じました。
向こう10年、20年後……年を取ってまだ自転車いじりにハマってて、財力が伴っていれば……再び手に取ることがあるかもしれませんw