梅雨の晴れ間を利用して、Fulcrum Racing Zeroで70kmほど走りましたので、いつもどおりの走行レポに加え、簡単なインプレを行ってみようと思います。
Racing Zeroの特徴(おさらい)
Fulcrumのアルミホイールのグレードは、Racing の文字の後ろにつく数字が若ければ若いほど高級であるという特徴があります。
Racing Zeroはまさにその最上級ホイールを指す名前です。
エアロ効果を最大限引き出すためでしょうか、平たいきしめんスポークで組み上げられており、その本数も、フロント16本、リア21本となっています。Campagnolo Ventoが、フロント18本、リア24本ですから、それなりに減ったことが分かります。Racing Zeroの重量は実測値が1,488.5gで、Campagnolo Ventoが1,660g前後と、スポークの本数の差は結構ありそうです。
また組み方自体も違いがありまして、共に2:1組ではありますが、Campagnolo Ventoの方がG3組という、特殊な形状になっているという差があります。Racing Zeroのほうがスポーク同士の間が広く、Campagnolo Ventoのほうが3本ずつで束になっている、という違いがあるわけです。ここいらが、剛性に何らかの差を生み出しているとみてよさそうです。
そしてハブには、USB(ウルトラ・スムース・ベアリングス)が搭載されています。
セラミックベアリングを採用してなめらかな回転を実現しているとのこと。
実際回してみると、これがとにかくよく回ります。
それでいて、フロントハブにカーボンを利用するなどして、全体的な軽量化を図っています。
一方で、リムは重めの設計になっているそうです。
見た目や質感にも、その重厚さがにじみ出ています。ネットの情報を見る限りでは、ハブを軽く、リムを重く……が、CampagnoloやFulcrumの設計思想となっているそうです。
MAVICは逆に、ハブは重いけど頑丈に、リムは軽く……だそうで、まったくの真逆の発想なのが面白いですね。
花岡山で感じたこと「縦剛性の高さ」
そんなRacing Zeroを履いて、まずは花岡山まで軽く走ってみました。
梅雨の合間の夏の昼間ということでいささか暑さにもやられてしまい、タイムも平凡なものでしたが、いざ走ってみると、Racing Zeroが持つその特性に驚かされます。
とにかくカチカチに硬いです。
前述のCampagnolo Ventoと比較すればその差は歴然。
まず、平地での性能。20km/hくらいでゆるゆると走っているつもりでサイコンを見たら、25km/h出ている、といった具合に、加速が非常にやりやすくなりました(;^ω^)
ギア1枚~2枚分軽くなるという噂は本当だなと感じましたね。
とにかくレスポンスが素直で速い、という印象です。
続いて、坂道ですが……。
こちらも、久々の花岡山で大した結果にはつながりませんでしたが、それでも感じたのは同じく剛性の高さでした。反応の速さは言わずもがな、力が逃げません。なので、思った以上に素直に登ることが出来ました。
対して、脚への負担はこれまでのホイールと比べれば気持ち高い印象です。クランクも剛性が高いDura-Aceなので、そこらへんも影響しているんでしょうか(;^ω^)
金峰山行脚を経て感じたこと「コーナリングでのグリップの高さ」
今度は別の日。
久しぶりに金峰山、鳥越の峠の茶屋を登りました。タイムもこれまた大したことありませんでしたが、花岡山で感じた剛性の高さはこの峠でも健在でした。
そしてこの日、Twitterの知り合いである緑(ryui)さんとエンカウント。STRAVAの二本杉峠TTなんかでKOMを取ったりする地元熊本でも相当な豪脚の持ち主です(;^ω^)
リアルでお会いするのはお互い初めてという事で、一緒に山頂まで登ることにしました。
貧脚な私に合わせていただく格好で大変恐縮でしたが、何とか山頂まで。最近はコロナ禍の影響で乗る頻度が落ちてますのでペースはどうにも上がりませんが、これは仕方のないことで(;^ω^)
さておき、なかなかの長丁場の自転車談義を経て、ふもとまで下ることにしました。
さて、ここでRacing Zeroの特徴を改めて知ることになります。
落車の影響でダウンヒルが怖い、とおっしゃる緑さんですが、どっこいそこそこの速さで下られますw
普段の私ならゆるーく35㎞/h程度で下りますが、今回は緑さんとそれなりにトレインを組んで走りましたので、結果、40km/h~45km/hくらいで下りました。
そこで感じたのが、Racing Zeroの路面に対してのグリップの良さです。
鳥越の峠の茶屋を走った方ならご存知でしょうけど、この登り坂は一直線の坂で始まり、最初のピークを越えたあたりで峠最大のヘアピンカーブが姿を現します。逆に下りでは、登ってくる車が林にさえぎられて見通しも悪く、何より路面が荒れてる個所も多い、最後の難関ともいうべきところです。なので必然的に減速するんですが、それでもなお力が横に逃げてしまうポイントなので、一層気を付けて走らなければなりません。
今回もそれなりに減速しましたが……。
今回は今までにないほど一切横滑りせず、路面をガッツリ噛みながら下りきることが出来ました。
ワイドリムだからこその効果なのか、横剛性の高さがもたらした効果なのか……。
素人目には最終判断はできませんでしたが、ホイールを交換した効果が抜群に感じられた瞬間でした。
そしてその後……。
緑さんと一緒に、峠の茶屋をもう一本(;^ω^)
そのまま……。
最近はやりの金峰山の絶景スポット……。
ナルシストの尾根まで!
正直、これまでで登った坂で一番きつかったです(;^ω^)
距離はそんなに長くないですが、問題は平均勾配。20%越えが当たり前すぎて、登りながら何度も絶叫しましたw 文字通り壁が3回くらい襲ってきます……ダンシングも駆使しましたが、最後の壁で文字通り撃沈してしまいました(;^ω^)
……これまでの私なら1つ目の壁を制覇する程度で終わってましたから、これもホイールのおかげという事にしておきましょう。それでなくても峠の茶屋2回、山頂1回登ってるわけですからねw
しかし、たどり着けばこの絶景です。
ここいらの山岳部から南側の海をこうして見渡せる場所は、過去登った権現山以来、初めてですね。
そんなこんなで緑さんともお別れし、Racning Zeroのインプレライドが終わりました。
総論:Racing Zero C17の特徴まとめ
まだ大した距離を乗ったわけでもないですし、素人目線での判断でインプレするという形になってしまいますが……。
大雑把にまとめるならば次の通りになると思います。
- 縦剛性が高い
- 漕ぎだしのレスポンス(反応)が早い
- 低速域から高速域への加速がスムーズ
- 相応の高速域をキープしやすい
- シッティングでのヒルクライムが少し楽になった
- 横剛性が高い
- カーブ、特に下りでのグリップ力が高い
- ダンシングでのヒルクライムが少し楽になった
- デメリット
- レスポンスが高いがゆえに、脚へのダメージも大きい(はず)
敢えてデメリットも書きましたが、これほとんど泣きごとですよね(;^ω^)
そしてすでにネットで先人の方たちが書かれた事とほとんど同じ結果となってしまいました……。新しいことが発見できるほどの知見があるわけでもないのでこれは致し方が無いという事で。何よりレース仕様の高級ホイールですから、間違い何かあるわけないんですよねw
そして、現段階ではLynskey Helix Proというチタンフレームに合わせて正解だと思っています。
フレームのシルキーさに対してドライブトレインが固い……というのは、自分が長らく理想とする自転車の形でした。身体への負担を減らしつつ、路面と脚部との間の入出力の遅延を無くしたい……とまぁ、なんともワガママな注文ではありますがw
今後の展望
せっかくですから、また阿蘇や矢部までこの自転車で足を運びたいですね。
これから真夏になる手前、秋が勝負でしょうか。
冬になると、コロナの第二波も気になるところ……。
色々あるかとは思いますが、次のロングライドが楽しみです(^ω^)